論語に
『直(なおき)を挙げて是を曲(まが)れるに置けば、則ち民服す。
曲がれるを挙げて是を直に置けば、則ち民服せず。』とあります。
これは、君主の哀公が「いかにすれば民は服しますか?」との質問に対して、
孔子が「材木業者が、板材を置く際に真直ぐな板を曲がった板の上に置くように、真直ぐな正直者を人々の上に置けば、その組織は自然と正常化され、人々は安心して活動することができます。逆に曲がった不正直者を人々の上に置けば、その組織は乱れ、人々は安心して活動することがでません。」と答えたものです。
会社において誰が上司になるかは、さまざまな要素で決定されると思いますが、「上司が正直者であるかどうか」は、部下にとって安心して働く上で、大切な職場環境の1つであると思われます。
また
『善人、民を教ふること七年ならば、また以て戎(じゅう)につかしむ可し。』とは、
「完全ではなくても善良な人が、七年という長い期間教育すれば、戎(軍事)に従事させることができる。」と孔子が述べたものです。
更に
『教えざるの民を以て戦ふは、是れ之を棄つと謂う。』と続きますが、
これは「教育を施さない民を使って、戦争することは、民を打ち棄てる行為である。」
と厳しく孔子が非難したものです。
人材不足の今日であればこそ、貴重な人材を、まずは善良な上司により十分な教育を行い、真心(真ん中の心=忠)を以って働いて頂ける人材を育成して行くことは、会社の発展にとって重要なことと思われます。